通信制高校というと幅広い年齢層の人が学んでいるイメージを持っている人もいるかもしれません。
しかし、実際のところはどうなのでしょうか。平均年齢や何歳までなどの年齢制限はあるのか解説していきます。
通信制高校の平均年齢は?中心となる年齢層は?
平均年齢は19歳
確かに高齢の生徒も在籍している通信制高校ですが、その平均年齢は意外と若いのも事実です。
文部科学省「平成27年度 学校基本調査」に掲載されている、通信制高校在籍中の180,393人の年齢分布データを見てみると平均年齢は19歳です。
公立通信制高校が21歳、私立通信制高校が17歳と、私立の方がやや年齢が低くなっています。ちなみに男女比は男性95,653人、女性84,758人と、やや男性の方が多くなっています。
年齢 | 生徒数 | 割合 |
---|---|---|
15歳 | 27,088人 | 15.0% |
16歳 | 39,022人 | 21.6% |
17歳 | 49,106人 | 27.2% |
18歳 | 17,927人 | 9.9% |
19歳 | 9,816人 | 5.4% |
20歳〜24歳 | 22,443人 | 12.4% |
25歳〜29歳 | 7,335人 | 4.1% |
30歳〜39歳 | 4,995人 | 2.8% |
40歳〜49歳 | 1,573人 | 0.9% |
50歳〜59歳 | 492人 | 0.3% |
60歳以上 | 596人 | 0.3% |
参考:文部科学省・学校基本調査
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001066164&cycode=0
私立の通信制高校の方が若い生徒が多い理由
実は近年、公立の通信制高校の生徒数は減少し続けています。戦後間もない頃、勤労学生の学びの場として誕生した公立の通信制高校ですが、勤労学生の数そのものが現代ではすっかり少なくなっています。
そんな勤労学生は普段は文字通り働いているため、10代だけでなく20代や30代の方も多く、それが公立の通信制高校の生徒の平均年齢が高いというデータに繋がっています。
それに加えて私立の通信制高校はeスポーツやネイル、芸能といった様々なコースがあるのに加え、高校は卒業したいけど毎日学校に通って勉強する時間がないプロゴルファーやスポーツ選手に需要があり、中学を卒業してそのまま入学する若い生徒が多いのです。
その結果、私立の通信制高校の方が若い生徒が多いという結果に繋がっています。
年齢の幅はかなり広い
通信制高校の生徒の年齢は15歳からシニアまでと幅広くなっています。全日制高校のように基本的に15歳から18歳までの生徒だけということはありません。
たとえ何歳だったとしても、通信制高校は自宅での学習がメインとなるためクラスメイトの年齢を気にすることもないですし、マンツーマン制を採用していてクラス自体がない学校もあります。
たとえば2~3年のブランクがあったとしても、自分の年齢を気にすることなく勉強に集中できるといえるでしょう。
年齢の上限はない
受験資格は15歳以上というだけで、年齢の上限はありません。合格さえすれば何歳になっても通信制高校で学ぶことができるのです。
たとえば、高校中退後に社会人となって改めて高卒資格が大事なことを痛感し、通信制高校に入学するというケースもあります。通信制高校ならば学費が安いというメリットもあるので、働きながら勉強を続けることも十分可能です。
60代、70代はもちろん80代で卒業する人もいます。何歳になっても学習意欲が衰えない姿をスクーリングなどで見かけることは、若い人にとっても大いに刺激になるのではないでしょうか。
実際、2021年には80代の高校中退だった女性が通信制高校を卒業して話題になったりしました。何歳でも入学・卒業できるのが通信制高校の強みです。
通信制高校は高等学校卒業資格を取得できる
通信制高校は、かつては「勤労学生が働きながら高校課程の勉強を通信教育で学ぶ場」という意味合いの強い存在でした。卒業しても高卒資格を得ることはできないなど、現在とはかなり違うものだったのです。
しかし、最近の通信制高校ならば、もちろん高等学校卒業資格を取得できます。今や通信制高校は全日制高校、定時制高校とならぶ正式な高等学校の一形態なのです。
そのため、何らかの理由で高校を中退してしまったものの、高卒資格を取得して大学受験に備えたいというような10代の生徒の受け皿となっていることが、生徒数増加のひとつの理由といえるでしょう。
私立の通信制高校は手厚いサポートも期待できる
全日制高校を中退した生徒は、いじめなどで心に傷を負っているケースも少なくありません。そのため、とくに私立の通信制高校では、生徒1人1人を手厚くサポートする体制が整っています。
たとえば、私立の通信制高校のなかには、毎日登校できるところもあります。同じような苦しかった経験を分かち合えるクラスメイトに出会うチャンスもあるかもしれません。全日制高校で人間不信に陥った生徒でも、通信制高校で信頼できる仲間と出会ったというケースもあるのです。
もちろん「もう、人間関係にわずらわされずに勉強に集中したい」ならば、年に数日のスクーリングにだけ登校すればOKという通信制高校を選択するのも良いでしょう。その場合も、1人で家庭学習を滞りなく進めることができるように、十分なサポートをしてもらえるのはいうまでもありません。
通信制高校は若者向けのカリキュラムが充実している?
今や生徒の9割は10代ということもあってか、若者向けのカリキュラムが充実しているのも通信制高校の特徴です。
アニメやゲーム制作を学べる通信制高校もある
私立の通信制高校は勉強の他にアニメ制作、ゲーム制作などに関する授業を提供しているところもあります。たとえば、経営母体がカルチャー系専門学校も運営していると、そのような授業も設けているケースもあるのです。まずは、資料請求をして学校研究をしてみることをおすすめします。
スポーツや芸能を極めたい人のための通信制高校もある
私立の通信制高校の中にはスポーツコース、芸能コースなどを設けているところもあり、スポーツや芸能活動で活躍している10代の子どもが数多く学んでいます。練習やレッスンなどで毎日学校に通うのが難しい生徒にとっても、通信制高校は役立つシステムといえるでしょう。
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通信制高校に入学するには?
10代の生徒が増えている通信制高校ですが、何歳から入学できるのでしょうか?また、年齢制限なども気になるところです。
通信制高校は15歳以上なら誰でも入学できる
通信制高校、全日制高校、定時制高校いずれのコースでも、日本の高等学校に入学するには次の2つの条件を満たしていなければいけません。
- 中学卒業見込みの者または中学校を卒業している者
- 相当年齢に達し、中学校を卒業した者と同等以上の学力があると認定された者
つまり、中学をすでに卒業している人はもちろん、まだ在学中でも出願できるということです。また、もし、中学時代に不登校だったとしても、中学校卒業程度認定試験に合格すれば、通信制高校を受験できます。
試験や面接で合格する
通信制高校に入学するには、全日制高校同様に入学試験に合格しなければいけません。筆記試験だけではなく、内申書、面接なども重視されるテストで、時には不合格になってしまうこともあります。
たとえば、通学制の通信制高校は少人数できめ細やかな授業をしていることも多く、どうしても受け入れることができる生徒数に限りがあります。なかには7倍近くの競争率がある人気校も存在しています。
しかし、一般的に通信制高校の入試は合格しやすく、筆記試験のかわりに作文提出で済んでしまう学校さえあります。
自宅学習をメインとしている通信制高校ならば定員もシビアではないので、あまり不合格にはならないでしょう。そうとはいっても、面接や内申書で「素行に問題あり」と判断されてしまうと合格できない場合もあります。
通信制高校の試験で落ちる原因
勤労学生の学びの場として設立された公立の通信制高校は、現在でもそういった校風を残している場合もあります。そのため、一部の公立通信制高校では不登校の生徒をサポートしようという目的意識もメソッドも当然のことながらありません。
そういった通信制高校では不登校などの経験があると落ちてしまうこともあるのです。
しかし、最近ではむしろ不登校の経験がある生徒に特化した私立の通信制高校も増えており、不登校であっても試験や面接をサボったりでもしない限り、ほぼ合格します。実際、入学者の98%の生徒が試験に合格すると言われています。
まずはいくつかの私立通信制高校から無料の資料請求をしてみて、自分に合いそうな通信制高校に問い合わせしてみることをおすすめします。
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通信制高校の平均年齢まとめ
通信制高校の平均年齢は19歳と、全日制高校よりもほんの少し上という程度です。ただ20代や30代で入学して良いのか悩んでいても心配することは一切ありません。
また、中学卒業後に数年間引きこもり経験などがあったとしても問題ありません。同じ境遇、年齢の生徒もたくさんいるのですぐに遅れを取り戻すことができるでしょう。数こそ少ないものの40代以上の中高年、シニアの生徒もいます。
また、年齢がネックで毎日通うのはちょっと…という方でも通信制高校なら自分のペースで自宅学習することができます。コースや学校によっては年に数回の登校でも大丈夫です。
もちろん登校日数の多いコースを選べば若い人たちと一緒に学ぶこともできます。通信制高校は年齢を気にする必要が一切ありませんので、まずは資料請求をしてみることをおすすめします。