通信制高校の公立と私立の5つの違い|学費や卒業率などを徹底比較!

学費

公立通信制高校と私立通信制高校の最大の違いは学費

公立と私立では、まず学費がまったく異なります。もちろん、公立の方が費用は安くすみますが、具体的にはいくらぐらい違うのでしょうか。

公立の学費は年間で数万円

公立通信制高校の学費は管轄の地方自治体ごとに異なります。たとえば、東京都の場合、入学金は500円、授業料は1単位あたり336円という設定です。

通信制高校を卒業するには74単位の取得が必要なので、卒業までの授業料は合計24,864円になる計算です。自治体により1単位あたり330円などの違いはありますが、いずれにせよリーズナブルであることに変わりはありません。

その他の諸経費を考えても公立通信制高校ならば、3年間で6万円以下、どんなにかかっても10万円以下で卒業することができるでしょう。ただし、3年で卒業できないとなると、当然のことながらさらに学費が必要になります。

公立通信制高校の学費は実質無料になることも!

「就学支援金」は、文部科学省が実施している年収910万円未満の世帯が利用可能な支援制度で、多くの家庭が利用できます。

公立の通信制高校で支給されるのは1単位辺り336円ですが、利用することで学費は実質無料にすることが可能です。

「就学支援金」は奨学金と違い、返済の義務がないので無償で受け取ることができます。

また、さらに手厚い「授業料等減免制度」というものもあります。対象となる家庭は限られてきますが、入学金の500円さえ免除になる場合もあり、大変リーズナブルです。

私立の学費は年間で10~80万円かかる事が多い

一方、私立通信制高校の学費は公立よりもどうしても高くなります。学校によって違いもありますが学費一覧などを調べてみると、入学金は10,000円~50,000円、授業料は1単位あたり5,000円~12,000円となっているようです。

入学金、授業料の他にも施設設備費、教育関連費など学校によってさまざまな費用が必要となります。一般的に私立通信制高校は年間20万円から80万円はかかることになるでしょう。

私立も就学支援金を利用すれば学費が実質無料になる

ただし、私立通信制高校も令和2年より世帯年収が910万円未満なら就学支援金を受けられるようになりました。

支給額は公立の通信制高校が1単位辺り336円なのに対し、私立は1単位辺り最大で12,030円と非常に高額ですので、世帯収入によっては私立であっても学費は実質無料となります。

公立の通信制高校よりも私立の方がおすすめ?

学費の額面だけを見ると、公立通信制高校の方が私立通信制高校よりもはるかにお得に思えるかもしれません。

しかし、私立通信制高校であっても、就学支援金を利用すれば公立の通信制高校と大差ない負担で卒業することもできます。

そのため、世帯収入が910万未満の世帯の方は、就学支援金制度を活用して私立の通信制高校に通うことをおすすめします。

詳細は後述しますが、公立よりも私立の方がサポート体制や卒業のしやすさ、楽しさなど様々な面で公立の通信制高校を上回っていることが多いです。

ただし、就学支援金制度は公立、私立ともに最長でも4年間しか支給されない決まりになっていますので、4年以内に単位の取得と卒業を目指しましょう。

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公立と私立の通信制高校の学費以外の違い

公立と私立の通信制高校を比較

学費面ではかなりの違いがあるといえる公立通信制高校と私立通信制高校ですが、学費以外にもさまざまな違いがあります。

全国に存在する高校の数

2020年の文部科学省による「学校基本調査」によれば、公立の通信制高校は78校なのに対し、私立の通信制高校の数は179校となっています。

つまり、公立の通信制高校よりも私立の通信制高校の方が2倍近く存在している計算です。

通っている生徒の数

公立の通信制高校に通う生徒は2020年時点では56,373人なのに対し、私立には約3倍となる141,323人もの生徒が通っています。

これは、公立の通信制高校が地方自治体の予算によって運営されている関係で、入学できる生徒はその地域の在住者、勤労者に限定されることがほとんどなのに対し、私立の通信制高校は居住地による制限がなく、全国どこからでも希望する学校に入学できるのが大きいです。

私立の通信制高校に通う生徒が多い理由

また、私立の通信制高校は公立の通信制高校と比べ、eスポーツ、声優、芸術、美容など様々なコースがあり生徒が好きな事を学べる他、少人数・マンツーマンによる学習の指導、学校にスクールカウンセラーが常駐しているなど、サポート体制が非常に充実しています。

さらにスクーリングも夏期のみ、年間で数日で済むなど公立と比べて生徒の負担が少ないため、遠方に住んでいても学習に支障が起きない点などが私立の通信制高校が人気の理由です。

公立の通信制高校は一人の先生が数十人の生徒を受け持つため、学習サポートが不十分で結局また不登校になってしまったり、週に1回の登校日が設けられていることが多いため、就学支援金制度で費用の差が少なくなった今、私立の方が高い人気を集めています。

学習の自由度

公立の通信制高校は通信制であってもスクーリングが多かったり、期末試験の日程が決められていることが多く、それをきちんと守らないと単位を取得できません。

登校の必要がないのが通信制高校が人気の理由であるにもかかわらず、学校に足を運ぶ機会が多いので戸惑う生徒も少なくありません。

一方、私立の通信制高校は登校日が自由であることが多く、登校頻度も月に1回、年に数日など希望のコースに沿ったものとなります。

たとえば体調面に不安があり、決められた登校日に学校に行ける保証がない方でも、私立の通信制高校であれば自分の都合に合わせて計画を組むことも可能です。

逆に、通信制とはいえ、毎日少しでも良いので登校したいという希望がある人もいるかもしれません。

そのような場合には、さまざまな状況の生徒に対して柔軟な対応をしてくれる私立がおすすめといえるでしょう。

卒業率の高さ

文部科学省の「学統計要覧」を元に公立と私立の通信制高校の卒業率を算出すると、3年間での卒業率は公立は約49%しかありません。

一方、私立の通信制高校の3年での卒業率は96%と、公立と比べて非常に高いのが現実です。

これは私立の方が前述したサポート体制が充実しているためです。

公立の通信制高校は全員ではありませんが、サポートが乏しい中での自学自習を行うため学習のモチベーションが保てず、3年で卒業できない方が多いです。

公立にせよ私立にせよ卒業できなければ意味がないので、学費の関係で公立にしか通えない場合は仕方がありませんが、就学支援金制度や奨学金を活用できるのであれば、私立に通ったほうがメリットは大きいと言えるでしょう。

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教育への予算のかけ方

公立通信制高校よりも私立通信制高校の卒業率が高く、サポートも手厚いのはそれだけ教育に予算をかけているからです。

例えば私立通信制高校の多くは、iPadなどのタブレットを活用し、インターネットで授業を受けられるe-ラーニングシステムを導入している学校も少なくありません。

また、私立は生徒1人1人に対するフォローアップ体制を整えるため、十分な数の教師、学校スタッフを確保するために多額の人件費もかけています。

このように最新の教育システム導入や人件費などにコストをかけているのは、公立と私立の大きな違いと言えるでしょう。

サポート校の有無

私立通信制高校の中にはサポート校を併設・提携しているところも多いです。

サポート校とは、名前の通り通信制高校を卒業するまで学習やカウンセリングなど様々な面でサポートしてくれる学校のことです。

ただし、サポート校はあくまでも通信制高校のサポートをする学校なので、単体では高等学校卒業資格を取得できません。

そのため、必ず通信制高校と同時に入学する必要があり、別途学費を支払う必要があるのがネックです。

しかもサポート校の学費は学校によりますが入学金で5~20万円、年間の授業料が35~80万円ほどと決して安くはありません。

サポート校のメリット

しかし、サポート校はレポート、認定試験、スクーリングなど卒業までに必要なすべてをサポートしてくれます。

また、美容系のサポート校であれば美容師資格を、調理系のサポート校であれば調理師免許の取得を支援してくれるなど、勉強面以外でも様々なメリットがあります。

高校卒業と同時に資格を取得できるサポート校もあるので、卒業後に別途専門学校に通うより、時間や学費の節約ができるのが特徴です。

トライ式高等学院のように、大学進学をサポートしており、進学率が60%を超えているようなサポート校もあります。

資金に余裕があり、確実に3年で高等学校卒業資格を取得したい、在学中に就職に役立つ資格が欲しい、大学に進学したいといった希望がある場合は、サポート校を利用してみるのもひとつでしょう。

通信制高校の公立と私立の5つの違いまとめ

公立と私立の通信制高校の最も大きな違いは学費ですが、令和2年より実施された就学支援金制度により、世帯収入が910万未満の家庭であれば費用面での大きな差は無くなったと言えるでしょう。

唯一のネックだった費用面の違いを除けば、基本的にはサポート体制が充実しており、卒業率も高い私立の通信制高校の方が優秀です。

通信制高校は自宅学習が基本なのでモチベーションを持続させるのが難しいのですが、挫折しそうになった時により手厚いフォローを期待できるのは、やはり公立よりも私立です。

結局、高校は卒業できなければ意味がないので、学費の安さだけで公立通信制高校を選ぶのはおすすめできません。

私立の通信制高校は実施している教育内容もバラエティ豊かですので、まずは複数の通信制高校に無料の資料請求をして、自分に合った学校を選ぶと良いでしょう。

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