不登校になる原因は家庭だけじゃない!パターン別の正しい対処法を紹介

夫婦喧嘩

不登校の原因をスクールカウンセラーや先生に相談すると、よく言われるのが「家庭のせい」「親の育て方に問題がある」というものです。

しかし、実際はいじめや学業不振などの学校生活が原因で不登校になる人も多いです。当記事ではそれらについて、対処法も含めて解説していきます。

不登校になる原因は家庭だけじゃない!

家庭が原因の不登校はごく一部

文部科学省による平成28年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によれば、不登校の原因が「家庭生活に起因」しているという高校生は14.9%にものぼります。

具体的には次のような原因があるといわれています。

  1. 家庭の生活環境の急激な変化
  2. 親子関係をめぐる問題
  3. 家庭内不和

例えばリストラ、離婚などによって家庭生活が急激に変化したことをきっかけに不登校になる子どもも少なくありません。

また、親子関係に問題はなくても同居中の祖父母とのトラブルなどの家庭内不和もまた、子どもに大きなストレスを与えます。

子どもは家の中でしわ寄せを最も受けやすい存在です。家庭が子どもにとって安らげる場所ではなくなってしまうと、学校や勉強どころではないという状況になってしまいます。

しかし、家庭の問題で不登校になるのは一部に過ぎません。ベテランの先生やカウンセラーがよくよく不登校の生徒に話を聞くと、もっとも多いのはいじめです。

一番多いのは家庭でなくいじめや学校生活が原因の不登校

多くの生徒は「いじめられたから」「学校に行っても1人だから」「先生に嫌われてて怒られるから」「先生が信用できない」といった原因で不登校になります。

(※家庭の問題で不登校になる子どもももちろんいます)

しかし、スクールカウンセラーや先生に相談すると、「家庭のせい」「親の愛情が足りない」「育て方が悪い」と言われるので、真面目な親御さんほど真に受けて悩んでしまいます。

ネットを調べても「子どもに無理をさせてはいけない」「心のエネルギーが貯まるまで待って下さい」「子どもが欲するものを与えましょう」といった対処法が出てくるので、その通りにしてしまう親御さんも多いです。

それで不登校が解決する子どももいますが、それはあくまでも子どもが「親がこんなに私のために動いてくれるなら、もう少しだけ頑張ってみよう」と考えていることが多いです。

しかし結局、原因である学校の問題は一切解決していないので、子どもの精神に限界が来ればまた不登校になってしまいますし、場合によっては不登校が悪化するリスクもあります。

記事を読んでる子ども向け:家庭生活に問題があるなら避難所を活用して下さい

以下の内容はこの記事を読んでいる子ども向けです。

もしあなたの家庭で日常的に暴力被害を受けている、あるいは暴言や食事を与えられないなどの行為がある場合、それは虐待になる可能性が高いです。

一刻も早く自立援助ホームを活用することをおすすめします。自立援助ホームとは、15歳から20歳までの何らかの理由で家庭にいられなくなった青少年に暮らしの場を与える施設です。

自立援助ホームは全国各地にあり、それぞれ10人以下の少人数で共同生活を営んでいます。近くの自立援助ホームについては全国自立援助ホーム競技会サイトの一覧表から探してみてください。

また、国が用意している児童相談所虐待対応ダイヤル「189」もおすすめです。

189に電話をかけるだけでお近くの相談所に繋がります。完全匿名で使えますし通話料もかからないので、明らかに家庭に問題がある、虐待を受けている場合は活用して下さい。

家庭生活が原因で不登校になった場合の対処法

家庭生活が原因と思われた不登校であっても、よくよく子どもに聞いてみるといじめや学校が原因だったというケースは多いのですが、本当に家庭が原因というケースもありますので、以下にその対処法を紹介していきます。

子どものストレスを解消させる

不登校の原因が家庭環境の変化や親が原因の場合、子どもはかなりのストレスを受けています。

また、親自身がストレスが貯まっていると、無意識にイライラしたり態度や言動に出てしまい、それが子どもにとっての負担になってしまいます。優しい子どもほど顕著です。

そのため、まずは子どもが感じているストレスを解消させてあげましょう。

子どものストレスを解消させるには親自身のストレスの解消も大切

とはいえ、親に余裕がないのに子どもに余裕のある接し方をできるはずがありません。

まずは親自身のストレスを解消させましょう。誰かに相談をする、ネットで愚痴を言う、1日10分でもいいから一人の時間を持つなど、親のストレスを解消して心に余裕を持って下さい。

そうすれば子どもに愛情を注いだり、余裕のある接し方ができるので、子どものストレスを減らすこともできます。

専門機関を頼る

自治体やNPO法人によるフリースクール、児童相談センター、ひきこもり地域センターなどの施設は、不登校の生徒を支援してくれます。

専門機関はこれまで数多くの不登校の子どもの相談に乗って解決してきた実績とノウハウがあるので、その家庭個別の事情から最適な解決方法を紹介してくれるかもしれません。

主な問い合わせ先は以下の通りです。家庭が原因で不登校になった場合は積極的に誰かを頼りましょう。

  1. 児童相談センター、児童相談所:(電話番号は各地方自治体による。東京は「03-5937-2330」)
  2. 教育センター(電話番号は各自治体による)
  3. ひきこもり地域支援センター(電話番号は各自治体による)
  4. 発達障害者支援センター(電話番号は各自治体による)

親自身の人生も考える

実は子供との距離が近すぎても不登校になる場合があります。

不登校になると親だけでなく子ども自身も悩み苦しんでいます。親が近くで支えるのはもちろん重要ですが、それが過度だと子どもが罪悪感を抱いたり、負担となってしまうことがあります。

例えば親に本当は怒って欲しい、尻を叩いて前に進ませてほしいと思っているけどそれを言えず、ひたすら甘やかしてくる親に八つ当たりをしたり、怒って欲しいからこそ酷い対応をする子どもいます。

子どもはやがて親元を離れるものですし、親自身の人生もあります。適度に子どもから距離を置いて自分自身の時間を作るというのは大切です。子どものそれを見て安心するケースもあります。

もちろん全ての家庭にそれが当てはまるわけでなく、幼少期のコミュニケーションが不足していると愛情を注ぐことで「私は親に愛されていたんだ」と、子どもが気づいて上手くいくことも多いです。

また、子どもが自傷行為をしている場合なども逆効果になる可能性があります。そのため、判断が難しい場合は前述した専門機関を頼ることをおすすめします。

通信制高校を活用する

不登校の悩みは親と子のどちらかが「どうにか登校を再開したい、させたい」と考えている限り解決しません。

しかし、無理に登校しても高校は卒業したものの、無理がたたってうつ病になり進学も就職もせず引きこもりになってしまう子どもは大勢います。

特に不登校の原因に家庭だけじゃなく学校も関わっている場合は、いっそ通信制高校に編入するなど環境を変えるのが一番です。

大人が転職をすれば一気にストレスがなくなる人が多いように、子どもも学校を変えることで一気に不登校が改善するケースは多いです。

不登校の生徒が通信制高校を利用するメリット

カウンセラー常駐などケアが手厚い

通信制高校には学校生活、家庭生活などのさまざまな問題を抱えている生徒も少なくありません。

そのため、多くの学校でカウンセラーを配置するなどして心のケアにも十分配慮しています。

全日制高校は先生の隠匿などもあっていじめなどの学校生活の問題ですら相談しにくく、まして家庭生活のこととなると「先生に話すわけにもいかない」と、ためらってしまうでしょう。

しかし、通信制高校にはいろいろな事情を抱えている生徒が多いので先生方も対応に慣れていますので非常におすすめです。

勉強を一から教えてもらえる

通信制高校は基本的に少人数・マンツーマン制で指導をしていますので、全日制と違い勉強のできない生徒は置いていかれてどんどん先に進んでいくという事がないです。

もし数学が中学一年生レベルで詰まっていればそこから教えてもらえますし、勉強の難易度自体が全日制と比べて優しいです。

もちろん進学コースなどを選べば全日制以上の勉強もできます。

高校卒業資格も全日制より得やすい

卒業するには最低でも74科目の単位を取得する必要があります。しかし全日制と違い毎日通学する必要がなく、単位も授業でなく1科目あたり年に5~6回のレポート提出で良いので簡単です。

また、レポートといっても穴埋め形式になっているので、サボってしまい貯めない限りは特に苦労することはないでしょう。

学費が安い

通信制高校の大きなメリットは、学費が安いという点です。家庭の経済状況が悪化して全日制高校に通えなくなった生徒でも、就学支援金制度などを併用することで実質無料になることもあります。

詳しくは下記の記事や文部科学省サイト「高校生等への就学支援」を参照してみてください。

ただ通信制高校の補習を行うサポート校も併用すると、公立の通信制高校以上に学費がかかってしまうこともあります。

通信制高校の学費が高いというイメージはここからきていますが、実際はそれほど学費はかかりません。

まとめ|不登校になる原因は家庭だけじゃない

不登校には様々な原因があります。相談をすると「家庭環境が悪い」「親のせい」と言われる事が多いですが、実際に子どもによくよく意見を聞いてみるといじめなどが原因…というケースもたくさんあります。

もちろん家庭が原因の不登校もありますので、まずは決めつけず話し合ったり、繰り返しになりますが専門機関へ相談をしてみて下さい。

また、不登校のままだと最終学歴は中卒になり進学にも不利といわざるを得ません。そんな時は不登校でも高卒資格を取得できる通信制高校への転入をおすすめします。

不登校前の通学日数や単位を引き継げますので、上手くいけば同級生と同じタイミングで卒業することもできます。

資料請求や相談は無料ですので、まずは複数の学校から自分にピッタリの通信制高校を見つけることから始めましょう。

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