現在、不登校の高校生は約5万人いるといわれています。全国に不登校の子どもを抱える保護者もそれだけいるということになります。
しかしどう対応したらいいのかお悩みの方も少なくないでしょう。そこで正しい対応方法を紹介していきます。
子どもの不登校に保護者はどう対応すべき?
家庭だけで対応するのはNG
子どもが不登校になると、どうしてよいかわからないのは当然のことです。
もし親御さん自身が不登校を経験していれば何らかのアドバイスもできるかもしれませんが、恐らくそうではない方が大半でしょう。
そして不登校の経験がない親の考えだけで子どもに対応するのは危険です。対応を間違えると子どもの心に傷を残したり、最悪うつ病などに追い込んでしまう可能性があります。
理由によっては学校の先生に相談する
学校の先生はこれまでも何人かの不登校の生徒に対応しているので、まずは相談してみることをおすすめします。
しかし、先生に相談しても望むような対応をしてもらえないこともあります。
たとえば、いじめが原因で不登校になっているのに、いじめがあることを認めようとしない学校があるのも事実です。
また、先生に相談した結果、先生がいじめた生徒を罰するも、そのせいでよりいじめが悪化、陰湿化するという事例もあります。
筆者もいじめで不登校になった経験がありますが、いじめをするような人間は先生に怒られても今度はより陰湿に、バレないようにいじめてくるだけです。
彼らに常識や良心は通用しません。そのため、いじめが原因の不登校の場合は学校以外に相談できる場所を活用しましょう。
不登校は教育支援センターに相談する
不登校の悩みは教育支援センターに相談することもできます。適応指導教室ともいわれる教育支援センターとは、市町村の教育委員会が主に不登校の小中学生を支援するために設置している教室です。ただ、小中学生だけでなく高校生も利用できます。
また、教育支援センターでは、不登校の生徒に対するカウンセリングも行っています。
親には話しにくいことでも、カウンセラーにはいえることもあるかもしれません。専門家が対応してくれるので、解決の糸口が見つかることもあります。
もしこの記事を読んでいるお子さんで親には相談しにくい場合、教育支援センターを頼るのも手です。
児童相談所に相談する
児童相談所というと児童虐待を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、実はそれ以外の子育てに関する相談にも対応しています。
10歳から17歳の子どもの教育に関する各種相談を行うのが児童相談所だからです。なお、不登校に関する問題は「育成相談」というカテゴリーです。
児童相談所は各自治体に設置されています。まずは最寄りの児童相談所に電話をかけて相談してみてはいかがでしょうか。ソーシャルワーカー、カウンセラー、医師などの専門家が対応してくれるので安心です。
メンタルフレンドに相談する
メンタルフレンドとは、不登校や引きこもりの子どもをサポートする、大学生や30歳までの若者のボランティアのことです。
不登校経験があるスタッフも多く、保護者では理解しきれない心の問題を兄や姉のように共感してくれるのが特徴です。
児童相談所で話し相手になってくれたり、学習指導をしてくれたりする他、家庭訪問してくれることもあります。いずれも無料で利用できるので安心です。
一般社団法人トカネット 電話番号:03-3636-2983
主な不登校の電話相談窓口を紹介
上記の他にも、不登校の生徒向けの電話相談窓口はいくつもあります。
主な相談先をまとめましたので、参考にして下さい。
チャイルドライン
電話番号:0120-997-777
認定NPOが運営する18歳までの子ども限定の相談窓口です。匿名のままで大人のボランティアスタッフに何でも相談できます。
ただし、毎日16:00~21:00と時間が限られているので注意しましょう。
24時間子どもSOSダイヤル
電話番号:0120-078-310
文部科学省が運営する子どものための電話相談口です。近隣エリアの教育委員会が設置している相談窓口につながります。
365日24時間いつでも対応してくれて、匿名での相談が可能です。
子どもの人権窓口110番
電話番号:0120-007-110
法務省が運営する子ども専用の電話相談窓口です。
法務局や地方法務局の職員、人権擁護委員が相談にのってくれます。匿名で相談することができますが、平日8:30~17:15まで限定ですので注意しましょう。。
通信制高校の不登校相談窓口
不登校の生徒を数多く受け入れてきた通信制高校には、不登校相談窓口を設置しているところも少なくありません。
進学希望者ではなくても相談できるので、まずは一度、電話してみてはいかがでしょうか。
通信制高校名 | TEL |
第一学院高等学校 | 0120-761-080 |
中央高等学院 | 0422-22-7787 |
アットマーク明蓬館高等学校 | 0120-987-19 |
アットマーク国際高等学校 | 0120-5931-87 |
勇志国際高等学校 | 0120-5931-35 |
通信制高校が合同で主催する相談会に参加するのも手
いくつかの通信制高校が合同で相談会を主催することもあります。通信制の仕組みの説明の他、不登校を乗り越えた経験を卒業生や生徒から聞くこともできて有意義です。
もちろん個別相談の時間もあり、不登校についての悩みを聞いてもらうこともできます。
合同相談会は不定期に開催されているので「通信制高校 相談会」といったキーワードで検索をして、最新情報を入手するようにしてください。
参考:Googleの検索結果
不登校はどうすれば解決できる?
無理に解決しても引きこもりになるケースもある
どうにか登校を再開できて、高校を無事に卒業する生徒もいます。しかし、そこで心身ともに疲れ果ててしまい、大学進学も就職もせずに引きこもりになるケースもあります。それでは本末転倒といえるでしょう。
不登校を解決したいなら「登校を再開できさえすればよい」と、考えるのは間違いです。高校卒業後の長い人生も大事です。無理をすれば今後何年も子どもは苦しむことになります。
自分の幸せを感じられるようになるのが一種の解決
登校を再開した動機が「親に心配をかけたくなかった」という例は少なくありません。
しかし、本当はそれよりも「自分がどうしたいのか」「自分がどうするのが幸せなのか」と考えるのが大事です。
不登校についていろいろなところに相談する際は、本人の意志を最優先することを忘れないようにしてください。
もし、登校を再開して本人が幸せと感じられるなら問題ありません。しかし、不登校に至った原因が解決されないまま、我慢して苦しい学生生活に戻るのは本当の解決とはいえないでしょう。
ただ親からすれば「無理にでも登校しなければ高等学校卒業資格を取得できない」「進学や就職で苦労させないために高校は卒業させたい」と思うかもしれません。
しかし、その親心が仇になることもあります。もう一度、登校してみたもののうつ病になって本格的な不登校になった結果、高校中退となり最終学歴が中卒になってしまう…なんて例はいくらでもあります。
通信制高校への転入などで環境を変えるのが最善
不登校の原因は学校にあるので、子どもにとって一番幸せになるのは環境を変える、つまり別の学校に転入させる方法です。
特におすすめなのが通信制高です。というのも通信制高校は文字通り通信教育が中心なので、毎日登校する必要がありません。
不登校であっても問題なく単位を取得し、卒業することができるのです。もちろん全日制の高校と同じ高校卒業資格を得られます。
学校に行かなくても勉強を続けられる、高校を卒業できるというのは子どもにとっても励みになるでしょう。
最近は通信制高校から東大などの難関大学に合格した人も多いですし、芸能人やプロスポーツ選手も数多く通っています。
昔と違い、通信制高校は決してネガティブな存在でなく、むしろポジティブな進学先となっているのです。
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不登校におすすめの通信制高校ってどんなところ?
学年制ではなく単位制を採用している
全日制の高校では不登校で年間50日以上欠席してしまうと、次の学年に上がることができません。
そして留年してしまうと、ますます学校に行きにくくなるものです。しかし、通信制高校は学年制ではなく単位制なので、いつでも編入できますし、留年という概念もありません。
単位制なので「高校課程の学科74単位、特別活動30時間単位」を取得さえすれば卒業することができます。
自由だからこそ計画性が大事になる
通信制高校は、極端にいえば卒業に必要な74単位を1年間で取得してしまうこともできます。
そして通信制高校での勉強は難しいものではありませんが、先生の目もなければサボっても怒られることもありません。
そのため、コツコツとなまけずに続ける計画性、自主性が必要となってきます。
勉強はレポート提出がメイン
通信制高校の単位は、科目ごとに年に5~6回のレポート提出と定期テストをこなすことで取得できます。
メインになるのはレポートですが、穴埋め問題などになっていて、取り組みやすいことが特徴です。しかし、ためてしまうと後で大変なので、週に1本は提出するようにしましょう。
定期テストはレポートの内容を確認するようなもので、全日制高校のように試験勉強が大変ということもありません。ただし、これまでのレポートの内容を問われるので、返却されたデータなどを消してしまわないようにしてください。
不登校への保護者の対応まとめ
不登校に悩んでいる場合、親も子どももまずは家庭以外の窓口などに相談してみるのがおすすめです。
なお、いじめなどが原因の場合、先生への相談はリスクがあるのでおすすめしません。
もし窓口に相談しても解決しない場合、子どもの将来を考えると環境を変えるのが解決への近道となります。通信制高校などへの転入を検討しましょう。
どうしても全日制高校に通わなくてはいけないという偏見は親子ともに苦しむだけです。
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