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通信制高校から大学進学はできる?進学率データ・3つの受験ルート・注意点と学校選び

通信制高校から大学進学はできる?進学率データ・3つの受験ルート・注意点と学校選び

大学生

結論から言うと、通信制高校から大学進学は十分にできます。「頑張れば例外的にできる」というレベルではなく、今では卒業生の主要な進路のひとつです。

この記事では、文部科学省のデータで見た進学率の実態、通信制が受験で不利にならない理由、3つの受験ルート、実際に通信制から大学に進んだ立場で注意したい点、進学に強い学校の選び方を解説します。

データで見る通信制高校の大学進学率

文部科学省「学校基本調査」の確定値をもとにした集計では、通信制高校卒業生の大学進学率は2023年度に26.5%となり、長年トップだった専門学校進学率(24.4%)を初めて上回りました。2024年度はさらに上昇して過去最高を更新し、大学・専門学校などを合わせた進学率は5割を超えています。10年前の大学進学率は13%台だったので、およそ2倍に伸びた計算です。

背景には、進学サポートに力を入れる通信制高校が増えたことと、総合型選抜・学校推薦型選抜の拡大があります。難関国公立や早慶上理への合格者を毎年出す通信制高校もあり、「通信制からは大学に行けない」は過去の認識です。

全日制より進学率が低いのは「進学希望者が少ない」から

それでも全日制高校の大学進学率(6割前後)と比べると通信制は低く見えます。これは通信制の卒業生が受験で不利だからではなく、そもそも進学を目的にしていない生徒が多いためです。

通信制高校には、働きながら高卒資格を取る人、スポーツや芸能活動に専念する人、卒業後すぐ就職する人が多く在籍しています。「進学したい人が進学できているか」を見るなら、進学コース在籍者の実績を確認するのが正確です。

通信制高校は大学受験で不利になる?

出願・合否の場面で不利はない

大学入試の出願資格は「高等学校卒業(見込み)」で、全日制・定時制・通信制の区別はありません。願書に高校名を書く欄はあっても、出身校が通信制かどうかを書く必要はありません。調査書(内申書)も通信制高校から正式に発行され、様式は共通です。「通信制だから」という理由で合否に差がつくことは制度上ありえません。

むしろ有利に働く3つの条件

  1. 使える時間が圧倒的に多い:通学と学校行事に費やす時間が少ないぶん、受験勉強に充てられる時間は全日制の比ではありません。1日8時間以上の学習時間を安定して確保できるのは通信制ならではです
  2. 総合型選抜と相性がよい:自由な時間で積んだ探究活動・課外活動・資格・作品制作は、総合型選抜の評価材料に直結します
  3. 評定平均を設計しやすい:通信制のレポートとテストは計画的に取り組めば高い評定を維持しやすく、学校推薦型選抜(公募・指定校)を狙う土台になります

注意すべき2つの落とし穴

  • 強制力がない:授業も小テストも受験勉強を「強制」してくれません。自走できる仕組み(予備校・映像授業・進学コース)を自分で用意する必要があります
  • 受験情報が自動では入ってこない:全日制の進学校のような進路指導の同調圧力がないため、模試の申し込みや出願スケジュールの管理を自分(と学校の進路担当)で回す意識が必要です

大学進学の3つのルートと戦い方

ルート1:総合型選抜(旧AO入試)

書類・面接・小論文などで「何をしてきたか・何をしたいか」を評価する入試です。通信制の生徒は、時間を使って積み上げた活動実績をそのまま武器にできます。ポイントは高1~高2のうちに「語れる活動」を始めておくこと。ボランティア、プログラミング、創作、地域活動、長期のアルバイトでもかまいません。

ルート2:学校推薦型選抜(指定校・公募)

指定校推薦の枠を持つ通信制高校は年々増えています。評定平均が基準になるため、入学直後からレポートとテストを丁寧に積むことがそのまま受験対策になります。志望校が決まっている場合は、入学前に「その大学の指定校枠があるか」を学校に確認しておくと確実です。

ルート3:一般選抜

学力勝負のルートです。通信制のカリキュラムだけでは受験レベルに届かない科目が出るため、予備校・映像授業・市販教材での上積みが前提になります。逆に言えば、通学時間ゼロの環境で予備校学習に集中できるため、「通信制+予備校」は浪人生に近い集中環境を現役で作れる組み合わせです。

実際に通信制から大学に進んで感じた3つの注意点

通信制高校から大学に進学した筆者の経験から、制度以外の面で気をつけたい点を挙げます。

1. 「なんとなく」では乗り切れない

通信制高校は、勉強するのもしないのも自分次第です。登校日の少ないコースを選ぶと、何日も勉強しなくても誰にも怒られません。全日制なら「まわりが進学するから自分も」と流れで進学できることもありますが、通信制ではそれが起きません。大学進学は「自分のため」だと、はっきり自覚しておくことがモチベーションを保つ最大のコツです。

2. 志望校に合った教材を選ぶ

英文法を熱心に勉強したのに、志望校の入試はリスニングと読解が中心だった、という失敗は珍しくありません。志望校の過去問を早めに入手し、出題傾向に合わせて教材を選んでください。志望校が決まっていない場合も、モチベーションのために第3志望くらいまでは仮決めしておくことをおすすめします。

3. 先生やスタッフに遠慮なく相談する

毎年受験生を送り出している通信制高校の先生には、大学ごとの傾向や出願の注意点が蓄積されています。一人で抱え込まず、わからないことはどんどん質問してください。個別の状況に応じたアドバイスが受けられるのは、少人数の通信制高校ならではの強みです。

進学に強い通信制高校の選び方

大学進学を前提にするなら、学校選びの段階で次の4点を確認してください。

  1. 年度ごとの大学合格実績:パンフレットの実績が「過年度累計」でないか、直近年度の人数を確認する
  2. 進学コース・受験対策の中身:映像授業の提供、個別指導、小論文・面接対策の有無
  3. 指定校推薦枠:志望大学・志望系統の枠があるか
  4. 進路指導の体制:模試の案内、出願管理、面談頻度など「情報が届く仕組み」があるか

受験指導に力を入れている学校の例としては、クラーク記念国際高等学校、飛鳥未来高等学校、第一学院高等学校などがあり、難関国公立や有名私大への合格者を毎年出しています。家庭教師のトライが母体のトライ式高等学院(サポート校)の特進科のように、プロ講師のマンツーマン指導を受けられるところもあります。

サポート校の受験指導を組み合わせる方法もある

通信制高校の中には大学受験の指導に力を入れていない学校もあり、そうした学校のレポートは基礎レベルで受験対策にはなりません。その場合、通信制高校に在籍しながらサポート校の受験コースを併用する方法があります。サポート校は通信制高校の学習を支える塾のような存在で、サポート校だけでは高卒資格は取れない点に注意してください。

進学サポートが手厚い学校ほど学費は高くなる傾向があるので、就学支援金を適用した実質負担で総額を比べることをおすすめします。

進学後につまずかないための準備

通信制からの大学進学で意外と重要なのが、合格後の準備です。通信制は自宅学習が基本ですが、大学は毎日通学が基本になります。久しぶりに毎日通う生活に戻ると、最初の学期で息切れするケースがあります。

在学中から週数日の通学コースやスクーリングで外に出るリズムを作っておく、朝型の生活に寄せておく、といった助走が、大学生活の定着を大きく左右します。週5日登校のコースを選べば、受験勉強で切磋琢磨できるクラスメイトもでき、進学後のギャップも小さくなります。

よくある質問

Q. 通信制高校の評定は大学に低く見られませんか?
A. 調査書の評定は課程に関係なく同じ様式・同じ扱いです。「通信制の評定だから割り引く」という運用は一般入試・推薦入試ともにありません。

Q. 不登校で中学の内申が悪くても大学に行けますか?
A. 行けます。大学受験で使われるのは高校の調査書であり、中学の内申は関係ありません。通信制高校で評定を積み直せば、推薦系の入試も狙えます。

Q. 通信制から国公立大学は狙えますか?
A. 狙えます。共通テスト対策は独学+予備校・映像授業での補強が前提になりますが、合格者は毎年出ています。学校の進学実績で国公立の合格例があるかを確認しましょう。

Q. 大学ではなく専門学校に進む人が多いのはなぜですか?
A. 通信制高校は美容・調理・プログラミングなど専門分野を学べるコースが多く、卒業後にその分野の専門学校でさらに技術を磨く生徒が多いためです。大学進学が目的なら、進学コースのある学校を選ぶことが大切です。

通信制高校からの大学進学まとめ

  • 通信制高校の大学進学率は上昇を続け、専門学校進学率を上回って過去最高を更新している
  • 出願・合否で通信制が不利になる制度は存在しない
  • 時間の自由は総合型選抜・一般選抜の両方で武器になる
  • 鍵は「自走できる仕組み」と「情報が届く体制」を学校選びの段階で確保すること

大学進学を見据えた学校選びは、進学実績・学費・サポート体制の3点を横並びで比べるところから始めてください。

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