通信制高校卒業後の就職率・進路の実態|不利というのは本当?

卒業

自分のペースで勉強できる、毎日通学する必要がないという魅力のある通信制高校ですが、気になるのは卒業後の進路です。

通信制高校は卒業後の就職・進路で不利という噂がありますが事実なのでしょうか。文部科学省の学校基本調査から、通信制高校卒業後の進路を調べました。

通信制高校卒業後の就職率・進路の実態

卒業後の各進路の人数

文部科学省による学校基本調査によれば、平成29年度に通信制高校を卒業したのは53,552人もの卒業生の進路内訳は以下の通りです。

進路 人数
大学進学 9,885人
専修学校専門課程進学 11,343人
専修学校一般課程進学 704人
公共職業能力開発施設等入学者 490人
就職者 10,505人
その他 19,869人
不明 756人

出典:学校基本調査

卒業後は専修学校に進学する人が最も多い

以上のように、通信制高校を卒業した後の進路としては、専修学校に進学する人がもっとも多いです。

また、進学、就職など通信制高校卒業後の進路はひとつではありません。

気になるのは「その他」、すなわち進学も就職もしていない人が多いという点です。これはフリーター、ニートの他、フリーランスや自営業を始める卒業生が多いためです。

卒業後の進路の比率

進路 割合
大学進学 18.5%
専修学校専門課程進学 22.5%
就職 19.6%
その他
(フリーランスや職業訓練校含む)
39.4%

出典:学校基本調査

ちなみに各進路を比率にすると上記の通りになります。

大学進学や専修学校に進学する人も非常に多いですが、進路として就職という選択肢を選んでいる人も多数いることが分かります。

その他が多いのはなぜ?

普通に考えればその他に該当するのはニートやフリーターといった、どちらかというネガティブな進路を選んでいる人が多いと考えるはずです。

しかし通信制高校には芸能活動やスポーツに専念するために入学しているという人も多く、そういった人は卒業後には進学や就職せずそのまま業界で働きます。これがその他の割合を引き上げてる要因の一つです。

また、その他にはフリーランスの道を選んだ人も含まれるので、その他が一概にネガティブな指標でないことが分かります。

将来の進路において高卒資格を取得する意味は大きい

たとえ高校卒業後にすんなりと進学や就職ができなかったとしても、高等学校卒業資格を取得できるだけでも無駄ではありません。

やはり最終学歴が中卒か高卒かで、その後の人生の選択肢の幅はかなり違ってくるからです。

たとえば大学受験をするにも資格を取るにも高等学校卒業資格は必須です。また、中卒の求人数は少ない上に選べる職種も限定されてしまいます。

もちろん、学歴と関係なく活躍できるスポーツや芸術関係の仕事もありますが、そういった道を志す人でさえ最近は「せめて高卒資格を取得しておこう」と、通信制高校に入学する例が少なくないです。

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通信制高校は卒業後の就職・進路で不利になる?

通信制高校卒業でも就職は不利にならない

高校卒業資格は全日制・定時制・通信制すべてで同じものが与えられます。

つまり履歴書に通信制高校を卒業したとわざわざ書く必要はないので、面接官や人事が通信制と気づかない限りは不利になることはあり得ないのです。

※学校名に「◯◯通信制高校」と入っている場合は除く。

最近は通信制高校への偏見も減りつつある

昔は通信制高校に対し「勉強で落ちこぼれた人が行くところ」「問題のある生徒が集まっている学校」という偏見がありました。

しかし、最近ではNEWSの増田高久、藤ヶ谷太輔などの芸能人も数多く卒業していることもあり「チャレンジしたいことがある人が、あえて選ぶ学校」というイメージも定着しつつあります。

通信制高校は毎日登校せずに、自分で学習することが基本ですので、けっして楽に卒業できるわけではありません。つまり通信制高校という学歴は自主性、自己管理能力があることをアピールするきっかけにもなるというわけです。

ただ学校名が「◯◯通信制高校」となっている場合、面接官や人事が古臭い考えを持っていると不利になる可能性はゼロではありません。

逆に卒業後の進路で有利にする方法

通信制高校の中にはビジネス系の資格取得をバックアップしてくれる学校もあります。

そのため、過去には卒業時にTOEIC、秘書検定、簿記検定、マナー検定などを取得し、全日制高校の生徒とは比較できないほど充実した履歴書を作った人もいます。

高校卒業をしたばかりとは思えない充実した履歴書があれば、大半の進路ではむしろ有利となるでしょう。

また、通信制高校はアルバイトをしやすい環境にあるため多くの生徒がアルバイトに励んでいます。例えばアルバイトを通じてビジネスマナーを身に着けていれば就職で有利になりますので。アルバイト先を吟味してみるのも手でしょう。

通信制高校の在学中に国家資格を取得する

通信制高校の中には美容師、調理師などの国家資格を取得できるところも多いです。

在学中に国家資格があればそれだけで大きなアピールポイントとなりますし、全日制高校の卒業後に専門学校に通うよりお金も節約できるのは大きなメリットといえるでしょう。

たとえば、ルネサンス高等学校はビューティーアート専門学校に通いつつ美容師資格を取得できるコースが設けられていますし、レコールバンタン高等部では、八洲学園国際高校と連携し、調理のことも学べるようになっています。

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通信制高校卒業後の進路で大学を目指すポイント

大学受験向きのコースのある通信制高校を選ぶ

通信制高校での勉強の難易度は学校によって大きく異なります。「公立の通信制高校は中学レベル」という噂もありますが、さすがにそれはデマです。

高校課程の基礎的な内容をきちんと理解して、レポートを提出しなければ単位を取得できないようになっています。

中には中学にもあまり通えなかった人のためのコースもありますが、難関大学を目指す生徒のために予備校レベルの内容を教えてくれるところもあり、勉強のレベルは千差万別です。

もし大学受験を目指すなら、受験専用コースのを設けている通信制高校を選択するとよいでしょう。

個別指導をしてくれる通信制高校を選ぶ

大学受験に熱心な通信制高校の中には、レポート提出だけではなく、塾のように個別指導をしてくれるところもあります。近隣エリアから学校を選べば毎日通うことも可能です。

予備校講師など受験のプロが習熟度に合わせたマンツーマン指導をしてくれるというのは、大手予備校の大人数の授業ではなかなか経験できないことです。

オーダーメイドの受験勉強が可能というのはかなり強みなので非常におすすめです。

通信制高校卒業後の就職率・進路の実態まとめ

通信制高校は就職率や進路が心配という人もいるかもしれませんが、実際のところはそれ程問題ないといえます。

むしろ資格の取得、専門的な知識の勉強ができるなど通信制高校ならではの有利な点もあるぐらいです。

採用側からすれば全日制高校で特に資格がなく、部活やバイトの経験もない生徒よりも、通信制高校で何らかの資格を取得しており、バイトや課外活動の経験がある通信制高校の卒業経験がある方が安心です。

進路によりますが通信制高校は不利どころか有利に働くケースも多いので、まだ入学していない方はまずは何校からか無料の資料請求をして、比較検討してみることをおすすめします。

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