通信制高校とはどんな場所?全日制や定時制との違いは?

校舎

最近、義務教育終了後や高校中退後のひとつの進路として通信制高校が注目されています。そもそ通信制高校とはどのようなものなのでしょうか。

通信制高校とはどんな場所?

登校や授業でなく通信教育をする学校

通信制高校の最大の特徴は、文字通り自宅で通信教育にて授業を進める学校という点でしょう。

かつては通信制高校に通う生徒はあまりいませんでしたが、現在は全国で約20万人(全高校生の約6%)が通信制高校を利用しています。

通信制課程とも呼ばれており、当初は昭和23年に毎日の通学が困難な勤労学生のために設立されたという経緯があります。

国が定める高等学校の一つ

学校というとクラスメイトがいて先生がいて毎日登校するもの、というイメージを抱いている人も多いかもしれません。

そのため、自宅学習をメインとしている通信制高校は「本当に高校なの?」「ちゃんと国に認められているの?卒業資格をとれるの?」と、思われても仕方のないところです。

しかし、通信制高校は全日制高校や定時制高校と同様にれっきとした高等学校の一形態と国に認められていますので、卒業すれば高卒資格を取得できます。

そのため、通信制高校を中学卒業後や高校からの編入先として選択するのは1つの選択肢です。

通信制高校と全日制や定時制との違い

通信制高校は全日制高校や定時制高校と具体的にどのような点が違うのでしょうか。通信制高校、全日制高校、定時制高校のそれぞれの特徴をまとめました。

通信制高校の特徴
全日制課程
祝祭日を除く月曜から金曜まで登校して、決められた時間割に沿ってクラス単位の一斉授業を受けます。学年制で基本的に3年間で卒業でき、一般的に「高校」と言うと全日制高校を指します。
定時制課程
夜間に4時間程度の一斉授業を受けるスタイルの高校です。全日制高校と連動しているところも多く、昼間は全日制高校、夜間は定時制高校となる学校もありますが、年々減少しています。かつては4年制でしたが、最近は3年で卒業することもできます。学年制のところと単位制のところがあります。
通信制課程
通信教育をベースにしている高校です。生徒は登校の必要もなく、自宅にいながらにして高校課程の勉強を進めることができます。単位制なので「同じ学年をもう一度やり直す」というようなことはありません。3年で卒業することも可能ですが、必要な単位をコツコツ取得していく努力が必要です。

通信制高校の学費目安・平均

通信制高校の学費は公立か私立かで大きく変わってきます。

そこで以下では両方の学費目安を記載します。

費用の種類 公立 私立
入学金 300円|500円 2〜5万円
授業料 年間1〜3万円前後
※1単位300円〜1000円
年間17万円〜40万円前後
※1単位6000円〜
教科書代や施設費など
授業料以外にかかる費用
年間3万円程度 通信コース 年間3万円~
登校あり 年間10万円~
合計 4〜6万円 25万円〜

このように学費だけで比較すると公立より私立の方が高いです。

ただ私立はサポート体制に優れており、就学支援金制度も使えるので人気で言うと圧倒的に公立より私立となっています。

通信制高校を卒業する方法

必修科目で74単位の取得が必要

全日制高校、定時制高校、通信制高校ともに卒業の条件は変わらず、卒業には国語、数学、社会、理科、保健体育、芸術、外国語、家庭、情報などで74単位を取得する必要があります。

通信制高校が全日制高校、定時制高校と異なるのはいつ、どの教科の単位を取得するか生徒に任されているという点です。

学年制ではないので「単位が足りず留年」ということがありません。代わりに3年経っても単位が取得できていない場合、卒業に4年以上かかってしまう事態もあり得ます。

そうならないためにはサポート体制の整った通信制高校を選択することをおすすめします。3年間の学習計画をともに立てたり、卒業まできめ細やかにサポートしてくれます。

少なくとも3年間在籍する

いつ入学したとしても、通信制高校を卒業するには少なくとも3年間の在籍期間が必要です。

極端な話74単位を1年で取得しても、残りの2年間は在籍する必要があります。

ただ過去に全日制高校や定時制高校に少しでも通ったことがあれば、その期間もカウントされます。

そのため、空白期間さえ作らなければ、同級生に遅れることなく高校を卒業することも十分可能なのです。

特別活動30単位も必要

通信制高校も全日制高校、定時制高校と同じように一定以上の特別活動をしなければ卒業を認められません。

特別活動とはホームルーム、学校行事、生徒会活動等になります。通信制高校の特別活動はスクーリングと呼ばれる登校日に行われます。

スクーリング回数はコースや学校によって異なり、週に1回行う学校もあれば、年に5日程度の宿泊体験などで集中的に実施するケースもあります。

通信制高校の場合、特別活動は30単位以上行わなければいけません。50分で1単位と計算されるので25時間は登校する必要があるのです。

最近はスクーリング日数を体育祭や文化祭に振り替えたり、インターネット、ラジオ、テレビなどを利用した特別活動を行うことで約10分の6ほど登校日数を免除できる学校もあります。

通信制高校を「できるだけ学校に足を運びたくない」という理由で選択する人もいるかと思いますので、事前に特別活動の時間や、振替が可能か資料請求して調べておきましょう。

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通信制高校の生徒数は?

年々増加している

全日制高校、定時制高校とはいろいろな面が異なる通信制高校ですが、年々その生徒数は増え続けています。

文部科学省の調査によると、通信制高校の生徒数はここ数年18万人前後を推移していましたが、2020年には約20万人まで増加しました。

少子化が進む中で生徒数が増えるのは、いかに通信制高校が人気か分かるデータといえるでしょう。逆に定時制高校で学ぶ生徒は年々減少し続けています。

通信制高校の生徒が増えた理由

通信制高校を選択した生徒は、さまざまな困難を抱えているケースも少なくありません。しかし昔は通信制高校の数も少なければ、イメージも悪かったので利用する人は少なかったです。

 

しかしいじめ、発達障害、学習障害など様々な困難を抱えている子どもの受け皿として通信制高校が認識され始めたことで、徐々に利用者が増えていきました。

通信制高校の多くはサポート体制が充実しているもそのためです。最近ではやりたいことや仕事に集中するためといったポジティブな理由で通信制高校選択する人も増えています。

通信制高校のカリキュラム・授業内容はユニーク!

通信制高校には全日制高校や定時制高校にはないユニークなカリキュラムがあることも特徴のひとつです。

学習指導要領に準拠しなくてOKだから

株式会社によって設立された私立通信制高校は私学助成金を受けることができません。

そのかわり、学校法人が経営している学校よりも校舎や運動場などの設置条件が緩和されています。このため、たとえば校舎のない通信制高校すら存在できるようになりました。

また、カリキュラムに関しても学習指導要領に準拠しなくても良いとされています。その結果、従来の全日制高校や定時制高校にはないユニークなコースが誕生することになったのです。

在学中に各種資格・国家資格を取得できる!

通信制高校の中には高卒資格と平行して美容師、調理師などの国家資格を取得できるようなカリキュラムを組んでいる学校もあります。

通常なら高校を卒業した後に専門学校に通うことを考えると、時間もコストも大幅に削減することができるでしょう。

また、アニメ、マンガ、ゲーム、声優などのコースを設けている通信制高校もあれば、IT関連のコースが充実していたり、ネイリスト、トリマーなどの資格を取得できる学校もあり、就職の際に武器にすることができそうです。

大学進学専用のコースもある

通信制高校への入学・転入を検討している方の中には大学進学を希望している方も多いかと思います。

通信制高校の中には受験対策に特化している学校もあります。進学コースの力は大きく、通信制高校から東大などの難関大に合格している人も多いです。

また、サポート校と呼ばれる塾のようなものと提携している通信制高校なら、高校に通いながら塾の宿題にも追われるという二重生活をする必要もありません。

通信制高校とは可能性を秘めた学びの場!

ギュウギュウの満員電車に押し込まれて毎日通学……というようなライフスタイルを半ば当たり前のように思っている人もいるかもしれません。しかし、そのように朝からストレスのかかる生活を続けていて本当に幸せでしょうか?

通信制高校を選択すれば、もう満員電車に揺られることもありません。学校の中のややこしい人間関係にわずらわされることなく勉強に集中することもできるでしょう。

確かに登校しなくてOKという通信制高校は、学校のあり方としては今のところは異色の存在かもしれません。しかし、今後、ネット社会がさらに進展すれば、むしろ当たり前の勉強の仕方となる可能性だってあるのです。

「通信制高校はコミュニケーションの機会が少ない」というのを心配する人もいますが、顔を突き合わせるばかりがコミュニケーションではありません。通信制高校でも先生や学びの仲間はいますし、いつでもネットでつながることができるのです。ネットを介したリテラシーを磨くことはできますし、それはこれからの時代、対面コミュニケーションと同じぐらい、あるいはそれ以上に大切なことかもしれません。

通信制高校と一口にいってもさまざまな学校があります。まずは資料請求をして、自分に合っていそうな学校を見つけてみませんか?

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