口コミサイトや知恵袋といったサービスなどで、「通信制高校に通うのは恥ずかしいですか?」という質問が書き込む方は多いです。
世間では「高校は全日制学校に通うのが一般的」というイメージが強いため、通信制高校は恥ずかしいと思う人が多いのでしょう。
そこで当記事では通信制高校に行くのは本当に恥ずかしいことなのかを解説しつつ、「恥ずかしい」と感じる必要がない理由なども併せてご紹介していきます。
通信制高校は恥ずかしい?
結論:恥ずかしいと思う必要はない
結論から言うと、通信制高校を恥ずかしいと思う必要は一切ありません。
たとえ登校頻度が少なくても、必要単位数を修得すれば全日制高校と同じ高卒資格(もしくは高卒認定)を取得できます。
つまり、進学してしまえば卒業した高校が全日制なのか、それとも通信制なのかというのは一切関係なくなりますし、そもそも通信制高校の授業は文部科学省の学習指導要領に基づいて構成されているので、恥ずかしいと感じる理由はないのです。
特に学校によっては進学コースを設置しているところもあり、全日制高校ですらそうそう進学できない難関大学への入学を目指すことも可能です。
また、文部科学省では高等学校通信教育の質の確保や向上に関する対策(※)も行なっています。
つまり、通信制高校は普通の学校と変わらない学力、もしくはそれ以上の学力を修得できる学校なので、恥ずかしいと思う必要はないのです。
※参考資料:文部科学省 高等学校通信教育の質の確保・向上方策について
通信制高校を恥ずかしいと感じる理由
とはいえ、インターネットで通信制高校を検索すると、「恥ずかしい」というワードで検索する人を見かけることがあります。
そこで、なぜ通信制高校を恥ずかしいと感じるのか、その理由をご紹介します。
通信制高校は恥ずかしいという先入観があるから
そもそも、通信制高校に通うことに対して、「恥ずかしい」という先入観を持っている人が多いです。
一般的に、「全日制高校は普通の人が行く高校」「通信制高校は不登校や不良が行く高校」というイメージがあるため、通信制高校に行くのは恥ずかしいという先入観があるのです。
確かに、通信制高校には不登校の人や授業について行けなかった人が通っています。
しかし他にも、スポーツや芸能など自分のやりたいことに専念したい人、eスポーツや声優など専門的な学習をしたい人など、自分に合った学校生活を送るためにあえて通信制高校に通っている人もたくさんいます。
つまり、恥ずかしいというのは「一般的なイメージによる先入観だけ」による所が大きいので、学校見学会などに行くことでネガティブなイメージは払拭されるでしょう。
全日制高校の方が優秀というイメージがあるから
通信制高校よりも全日制高校の方が優秀、というイメージを持っている方も少なくありません。
これはほとんどの通信制高校が入学時に学力検査を行なわないため、学校の学力の高さを判断する目安となる偏差値がないことが理由だと考えられます。
一般的に「偏差値が高い学校は優秀な生徒が多い」と言われるように、偏差値は生徒が優秀か優秀ではないかを判断する基準にもなっています。
そのため、「偏差値がない通信制高校は誰でも入学できる」「通信制高校は学力が低い人が多いから優秀ではない=恥ずかしい」と思ってしまうのかもしれません。
本来であれば、学校は学力で選ぶものではなく、その学校で「何をしたいのか」「何を身につけたいのか」で選ぶべきです。
そのため、通信制高校に通からといって恥ずかしいと思う必要はありません。
また、通信制高校の学習内容は全日制高校と同じように文部科学省の学習指導要領(※)に従って構成されています。
つまり、卒業資格に必要な履修科目や学習の時間などをクリアしないと卒業できないので、偏差値がないからといって全日制高校より学力が劣っているということはないのです。
※参考:文部科学省 学習指導要領
前に通っていた全日制高校に未練があるから
全日制高校に通っていた人は、前に居た全日制の学校に未練があることで「恥ずかしい」と思ってしまうケースもあります。
通信制高校の存在は昔よりもメジャーになっていますが、それでも「高校=全日制高校」というイメージがあり、高校に進学する場合は全日制を選ぶのが「普通」と思っている人も多いのが実情です。
そのため、全日制高校を辞めて通信制高校に通うことは「普通ではない」と感じてしまい、恥ずかしい方も少なくありません。
しかし、例えば通信制高校に通っていた有名人はたくさんいます。
平野紫耀さん(King&Prince)や藤田ニコルさんは飛鳥未来高等学校、今井翼さん(元タッキー&翼)は八州学園高等学校というように、通信制高校を卒業して社会で活躍している方も多いです。
通信制高校は立派な選択肢の一つですので、「普通じゃない」という理由で通信制高校を恥ずかしいと思う必要はないでしょう。
自身(親)が世間体を気にしているから
お子様もしくは親御さんが世間体を気にしていることで、通信制高校に行くのを恥ずかしいと思う方もいるでしょう。
前述していますが、世間的には「全日制高校に進学するのが当たり前」という固定概念があります。
そのため、通信制高校に行くと世間から「全日制高校受験に失敗した」「全日制高校に行く学力がない」と思われるのでは、と恥ずかしく感じてしまうようです。
確かに、生活をするうえで世間体を気にするのは仕方のないことです。
しかし、高校に関しては、世間体よりも自分が行きたい学校を選ぶべきです。
世間が「良い」と行っている学校を選んでも、それで自分の夢ややりたいことが叶うわけではありません。高校は人生の大事な通過点なので、世間の目ではなく、自分にとってメリットがある、通って楽しいと思える高校に通うことが重要です。
通信制高校を恥ずかしいと感じる子ども・親が知るべきこと
通信制高校を恥ずかしいと感じるお子様、親御さんが知るべきことがあります。
ただ恥ずかしいというだけで、人生に関わる高校の選択を決めてしまうと後悔することになる可能性もあるので注意しましょう。
先入観で通信制高校を否定する前に、通信制高校について正しい知識を付けておけば、「恥ずかしい」という思いも解消できるかもしれません。
恥ずかしいという感情は自分が勝手に考えていること
そもそも、恥ずかしいという感情はお子様(または親御さん)が勝手に考えているだけかもしれません。
心のどこかで通信制高校を見下していたり、全日制高校に行かないことへの劣等感を感じたり、「バカにされるのは」という不安を感じていることが「恥ずかしい」という思いにつながっている可能性があります。
実際、通信制高校をバカにしている人もいますし、全日制高校に行かないことに対して偏見を持つ人もいるのは事実です。
しかし、通信制高校に偏見を持っている方はごく少数ですし、自分のライフスタイルに合わせて通えて、高卒資格を目指しながら専門資格のスキルも習得できるなど、通信制高校には様々なメリットがあります。
一部の悪意ある人間に影響されて人生の選択肢を狭めるのは勿体ないので、ぜひ資料を取り寄せて通信制高校の知識を深めてみることをおすすめします。
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通信制高校に通う生徒数は年々増加している
文部科学省も「高等学校の生徒数の推移について、近年、全日制・定時制課程の生徒数は全体として減少傾向にあるが、通信制課程の生徒数は全体として増加傾向にある。」という見解を示しているように、通信制高校に通う生徒数は年々増加しています。
学校数で見ると、令和1年の段階で全日制・定時制高校は4,887校、通信制高校は253校なので、当然ですが生徒数は全日制・定時制高校の方が多くなります。
しかし、生徒数の増加率は通信制高校の方が圧倒的に高く、特に私立通信制高校の生徒数の推移から考えると今後もさらに増えていくと考えられます。
年度 | 全日制高校 | 公立通信制高校 | 私立通信制高校 |
---|---|---|---|
平成2年 | 5,623,336人 | 97,271人 | 69,715人 |
平成7年 | 4,724,945人 | 97,330人 | 56,653人 |
平成12年 | 4,165,434人 | 107,854人 | 74,023人 |
平成17年 | 3,605,242人 | 93,770人 | 89,748人 |
平成22年 | 3,368,693人 | 86,843人 | 100,695人 |
平成27年 | 3,319,114人 | 66,702人 | 113,691人 |
令和1年 | 3,168,369人 | 56,373人 | 141,323人 |
【出典元:文部科学省 高等学校通信教育の現状について】
通信制高校の生徒数は、平成2年の時点では私立・公立を合わせて166,986人でしたが、令和1年には197,696人と増加していますし、私立だけで見れば70,000人以上も増えているのです。
一方、全日制高校の生徒数は2,450,000人以上減少しています。
少子化のせいで減少している、ということも考えられますが、通信制高校の生徒数は少子化であっても増加しているので、いずれは「全日制高校に行くのが当たり前」という固定概念はなくなるかもしれません。
通信制高校から大学進学や就職も問題なくできる
通信制高校は大学進学や就職も問題なくできます。
通信制高校によって回数は異なりますが、決められた日数分登校して授業を受けますし、レポートを提出したりテストを受けたりしなければ卒業できません。
また、進学コースを設置している学校もあるので、自分で決めた進路に向かって頑張れば、進学も就職も可能です。
通信制高校から難関大学・一流企業に就職する人も多い
あまり知られていませんが、通信制高校を卒業した人の18%は大学に進学しています。(※平成30年度)
進学先の中には、早稲田大学や慶応義塾大学、京都大学など難関大学もありますし、医学部や法学部などに進学している人もいます。
【通信制高校 進学実績一例】
通信制高校名 | 進学実績 |
---|---|
トライ式高等学院 | 山梨大学 医学部 東京慈恵医科大学 医学部 早稲田大学 慶応義塾大学 青山学院大学 など |
鹿島学園高等学校 | 京都大学 早稲田大学 明治学院大学 学習院大学 慈恵医科大学 など |
おおぞら高等学校 | 京都大学 関西大学 立教大学 早稲田大学 青山学院大学 愛知淑徳大学 など |
進学実績を見れば、通信制高校も全日制高校と同等の学力を身につけられることが分かります。
就職に関しては、カルビー株式会社や社会福祉法人恵比寿会、パソナ、公務員など一流企業への就職実績もあるので、自分の頑張り次第で希望の進路に進むことができます。
※文部科学省 通信制課程の卒業後の状況(平成30年度間)
通信制高校の出身でも突っ込まれることは少ない
通信制高校の出身でも、それを人に突っ込まれることはほとんどありません。
他人は、それほど通っている高校のことを気にしませんし、突っ込まれるというよりは「なぜ通信制を選んだのか」「学校や授業の雰囲気はどういう感じなのか」など興味を持たれることの方が多いでしょう。
就職の面接では突っ込まれることもあるかもしれませんが、通信制を選んだ理由や学んだことをきちんと説明できればまったく問題ありません。
選んだ理由が不登校やいじめなどネガティブな原因だとしても、通信制高校に通ったことで夢を持てるようになった、辛い記憶を乗り越えて前向きになれたということを説明することで印象はがらっと変わります。
いずれにしても、通信制高校に通っていること、出身だということで突っ込まれることはないので気にしなくて大丈夫です。
通信制高校には様々なメリットがある
通信制高校にはさまざまなメリットがあります。
- ライフスタイルに合わせて勉強できる
- 登校日が少ないので時間を自由に使える
- 授業料など教育にかかる費用が安い
- 生徒の事情に合わせたサポートが受けられる
- 文化祭や体育祭など学校行事を楽しめる
このほかにも、毎日登校する必要がないので、人間関係のわずらわしさや満員電車に揺られて通学するストレスがないというメリットもあります。
また、「声優・モデル」「マンガ・イラスト」「IT・プログラミング」など専門分野を学べるコースを設けている学校もあるので、高卒資格(高卒認定)取得を目指しながら仕事に役立つスキルを身につけることができます。
通信制高校は自由度が高い反面、学習ペースや日常生活を自分で管理しなくてはいけない、登校日が少ないので友達が作りづらいことがあるなどのデメリットもあります。
しかし、デメリットがあるとしても、得られるメリットの方が圧倒的に多いということも知っておくといいでしょう。
評価の高いおすすめの通信制高校を紹介
通信制高校は、友人関係のトラブルや勉強について行けなかったなどで学校に通うことがトラウマになっている方、学業と仕事を両立したい方、夢のために時間を使いたい方に最高の環境を与えてくれる学校です。
ただ、通信制高校はたくさんあるのでどこにすればいいか迷ってしまうという方も多いかもしれません。
ここでは、評価の高いおすすめの通信制高校を紹介するので、学校選びの参考にしてみて下さい。
ルネサンス高等学校
茨城県の大子町に開校しているルネサンス高等学校は、年に4日程度のスクーリング(必要登校日数)で高校卒業を目指せる広域通信制高校です。
この学校がおすすめの理由は、通信制と通学制から学習スタイルを選べるところです。
毎日学校に通わなくて良いのは通信制高校のメリットですが、「毎日家にいること」が恥ずかしいという思いに繋がってしまうこともあるかもしれません。
ルネサンス高等学校は、最寄りのキャンパスに通う通学コースがありますし、制服も用意されているので全日制高校と同じスタイルで高校生活を送ることができます。
同じ学習スタイルといっても、全日制高校のように時間割が決まっているわけではなく、高卒資格は通信制(スマホやパソコンなど)の勉強で取得し、残りの時間を自分が希望する進路に向けた時間に充てるので授業内容は異なります。
また、ルネサンス高等学校に英会話コースや美容師養成コース、芸能コースなど専門スキルを身につけられるWスクールコースがあるので、なりたい職業や進みたい道が決まっている方は効率よく時間を使いながら高卒資格を取得できます。
つまり、学校には通うのですが、自分のやりたいことや夢を叶えるための時間をしっかり確保できるので、通信制高校の「自由に時間を使える」というメリットはしっかり得られます。
もちろん、通信制コースであればスマートフォンやタブレット、パソコンなどで授業を受けられるので自由な環境で学習が進められます。
第一学院高等学校
第一学院高等学校は、生徒をプラス思考に変える「プラスサイクル指導」をベースに、生徒一人ひとりに向き合った1/1の教育を行なっている通信制高校です。
この学校がおすすめの理由は、生徒が自分自身と向き合ってプラス思考になり、自分で意欲を喚起する力を身につける教育を行なっていることです。
学校で嫌な思いをしたことがある人、勉強が苦手で集団授業について行けなくなった人、通信制高校に行くことをネガティブに捉えている人など生徒それぞれの問題に対し、教師が1対1で向き合いながら、保護者と学校そして生徒自身が一体となって成長実感を自信に変える取り組みを行なっています。
毎日の成長を可視化する「デジタル自分未来史ファイル(D-FILE)」を導入することで、生徒は自分の頑張りや良さに気づき成長実感を得られます。
この実感を、保護者や教師も実感して一緒に分かち合うことで、さらなる成長のエネルギーに換え、ネガティブをポジティブに変換していくのが第一学院高等学校の教育の特徴です。
学習サポートは、最新のICT(情報通信技術)を採用しているので、中学校の復習から大学の受験対策まで生徒の目的に合わせた学びを提供してくれます。
また、キャリアサポートは卒業後も継続して受けられるので、将来やりたいことが決まっていない、就職できるか不安という方も安心して通える通信制高校です。
鹿島学園高等学校
鹿島学園高等学校は、全日制普通科高校の鹿島学園が開設した通信制高校なので、通学で公共交通機関を利用する際の学割が適用されます。
また、全日制と同じ卒業証書をもらえるので、どうしても通信制高校出身ということに抵抗がある方も安心して卒業を目指せます。
この学校がおすすめの理由は、豊富な学習スタイルが用意されていることと多彩なオプションコースが揃っていることです。
学習スタイルは、以下の7つのコースから選べます。
- 週2日~5日制
- 週1日制
- 自宅学習制
- 個人指導制
- 家庭教師制
- ネット指導制
- 全寮制
毎日家にいるのは気まずいから週3日だけ通いたいという方は週2日~5日制、学校に通わず家で勉強したい方は自宅学習制やネット指導制など自由に選ぶことが可能です。
これだけ豊富な学習スタイルがあれば、自分に合ったスタイルが必ず見つかるでしょう。
オプションコースは、大学進学コースやアニメ・マンガ・ゲームコース、スポーツコース、ITコースなどあらゆる分野の専門知識が学べます。
将来の目標が決まっている方はもちろん、途中でコース変更も可能なので、興味がある分野の学びを体験することで夢が見つかるかもしれません。
まとめ|通信制高校は恥ずかしくない!
通信制高校は、学力が低いわけでもなく、進学率がいちじるしく悪いわけでもなく、学習スタイルや登校日数などが全日制高校と異なるだけでれっきとした高等学校です。
一般的な認知度が低い通信制高校に通うのは、お子様も親御さんも「世間の目にどう映るのか」という一抹の不安があるかもしれません。
しかし、世間の目を気にして、自分が行きたい学校を諦めるということが本当に正しいことなのか今一度考えてみましょう。
通信制高校には全日制高校にないメリットもたくさんありますし、カウンセラーが常駐している学校もあり、全日制高校よりも手厚いサポートが受けられるので、どんな方でも安心して高校卒業を目指せます。
通信制高校の資料は無料で取り寄せられますので、自分が「恥ずかしくない」と思える通信制高校を探してみても良いでしょう。