高校中退率と割合からみる通信制高校が必要とされる理由

生徒

高校中退率の割合はやや増加傾向にある

現在、高校進学率は97%を越え、ほぼ全員が卒業すると言われています。

そして平成27年度までは高校中退の人数、割合ともに下がり続け、中退人数は46,802人、中退率も1.3%にとどまっていました。

しかし平成28年より高校中退の人数は48,594人、中退の割合は1.4%と増加傾向にありました。

参考:教育新聞

高校中退率だけでは見逃しがちな実態

高校中退率1.4%、高校中退者48,594人というと「少ない」と感じる人も多いかもしれません。しかし、これは淡路市、糸魚川市、小諸市、奄美市などの人口に匹敵する数です。

また、数の多い少ないにかかわらず、高校中退当事者となる可能性は誰にでもあります。もし、今「高校中退したい」と思っている方がいた場合、それを後ろめたく思うことはありません。全国各地に同じ悩みを抱えている生徒は必ずいるのです。

学校生活・学業不適応が理由の多くを占める

文部科学省「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」によれば、高校中退の理由は「学校生活・学業不適応」が34.1%と、かなりの割合を占めています。

その内訳は「もともと高校生活に熱意がない」「授業に興味が湧かない」「人間関係がうまく保てない」などです。

つまり、何らかの理由で学校生活や勉強に興味をなくしてしまい、高校中退という道を選択したことがわかります。共感できる人も多いのではないでしょうか。

参考:文部科学省

平静年と比べると中退する人は三分の一程度まで減っている

近年は増加傾向にあるとはいえ、平成2年頃は年間およそ12万人が高校中退していましたので、比較すると3分の1程度になっています。

もちろん子どもの数自体が減ってはいますが、それでも全体で見れば中退をする人は大きく減っているのが事実です。その影には通信制高校の増加など、中退後の選択肢が増えていることが関係していると思われます。

いずれにせよ「高校中退したらどうする?」という問題がなくなることはないでしょう。

高校中退率はなぜゼロにならないのか?

最近の高校中退率は1%台を推移していますが、ゼロになることはこれから先もなさそうです。高校中退者が一定数発生してしまうのはどうしてなのでしょうか。

一斉授業の弊害

全日制高校でも定時制高校でも、基本的に一斉授業が行われています。

小学校も中学校も基本的に一斉授業なので「学校とはそういうものだ」と、思っている人も多いでしょう。

しかし、じつは一斉授業はすべての生徒にとって最適というわけではありません。「簡単すぎて退屈」という人もいれば「進度が速すぎてついていけない」という人もいて当然です。

一斉授業にはどうしても限界もあり、高校中退者が必ず発生してしまう一因にもなっています。

人間関係の複雑化

SNSの発達によって、学校外でのコミュニケーションも盛んになっている現代。生徒同士の人間関係はますます複雑化し、帰宅してからも気が休まる時がありません。

いじめを受けている人だけではなく、いじめというほどではないにせよ面倒な人間関係に疲弊してしまい学校が嫌になるケースも増えています。

「人間関係にわずらわされることなく勉強に集中したい」と考えるのももっともなことです。

金銭的な理由

文部科学省による「平成28年度 子どもの学習費調査」によれば、全日制の公立高校で3年間にかかる学費総額は平均1,351,336円と、けっして安い金額ではないことがわかります。全日制の私立高ではさらにその約2倍の3,109,805円が必要です。

学費が安い公立高校を選択しても、家計の状況によっては高校中退せざるを得ないケースもあるでしょう。

「もっとリーズナブルに勉強を続けられる学校はないだろうか?」、「人と関わらないで済む学校がいい」と悩んでいる人におすすめなのが通信制高校です。

高校中退者が利用している通信制高校ってどんな学校なの?

通信教育がメインの高校

通信制高校とは、その名前の通り通信教育をメインにしている高校のことです。自宅での自学自習が中心となるので、全日制高校や定時制高校での一斉授業が苦手だった人も楽しく勉強を続けることができるでしょう。

通信教育というとかつては切手代がかかる、郵送が面倒、先生からの返信を受け取るまでタイムラグが発生してしまう……などのデメリットがありました。しかし、最近の通信制高校ではネット経由で課題提出するところがほとんどなので心配ありません。

通信制高校の課題はレポート

通信制高校ではレポート提出をしていくことで学習を進めていきます。レポートといってもA41枚程度の穴埋め問題などになっていて、理解度をチェックする簡単なものです。

難しくないとはいえ、油断しているとレポートがたまってしまうので要注意です。年に50~100枚のレポート提出が必要になるので、3日に1枚は仕上げるようにしましょう。

卒業で高等学校卒業資格を取得できる

一般的に通信制高校での勉強は難易度が高いわけではありません。全日制高校のように中間テストや期末テストに追われることもないので「これで高等学校卒業資格を取得できるの?」と、不安になる人もいます。

しかし、通信制高校はれっきとした高等学校の一形態なので、間違いなく高等学校卒業資格を取得できます。高校中退のままでは最終学歴は中卒のままで、進学にも就職にも支障をきたすでしょう。ぜひ、通信制高校で高卒資格を取得しておくことをおすすめします。

高認よりも通信制高校をおすすめする理由

高校中退した後、高等学校卒業程度認定試験いわゆる高認を目指す人もいます。確かに高認に合格すれば、大学や専門学校を受験することはできるでしょう。

しかし、高認はあくまでも学力認定テストに過ぎず、高卒資格が得られるわけではない点に注意してください。つまり、もしも受験に失敗すれば、最終学歴は中卒のままというリスクがあるのです。

いつからでも入学できる!

通信制高校は全日制高校や定時制高校のように学年制ではなく単位制です。そのため、多くの通信制高校がいつからでも入学できるようになっています。

全日制高校や定時制高校では、タイミング次第では一学年下に編入しなければいけないことも少なくありません。一方、通信制高校はそもそも学年制ではなく単位制なので、そのような心配もないというわけです。

ほとんど登校の必要がない

通信制高校は全日制高校や定時制高校のように毎日登校する必要はありません。クラスメイトとの人間関係にわずらわされることもなく、勉強だけに集中することもできるでしょう。

しかし、通信制高校といえども1度も登校せずに卒業できるわけではありません。高校の卒業要件として学科74単位と、ホームルームや行事などの特別活動30時間単位を取得する必要があるからです。登校日が負担ならば、年に1回、3泊4日程度のスクーリングを実施しているような通信制高校を選択してみてはいかがでしょうか。

毎日登校できる通信制高校もある

自宅で自分のペースで勉強したいという人がいる一方「1人ではモチベーションを維持できるか心配」という人もいるかもしれません。そんな時は、毎日登校できる通信制高校を選択するのもひとつの手段です。

さらに、通信制高校にサポート校をプラスするという方法もあります。サポート校とは通信制高校での勉強を補う塾のようなものですが、勉強面で不安がある人は活用してみてはいかがでしょうか。

高校中退率と割合まとめ

高校中退率が1%台というのを見ると「高校中退は思いとどまるべきなのだろうか」「高校中退した自分は、よほどの落ちこぼれなのだろうか」などと不安になる人がいても当然です。確かに高校中退率は低いかもしれませんが、高校中退者はけっして少なくはありません。日本のどこかに同じような悩みを抱えている人は必ずいます。「自分だけ」と、自分自身を責めるのはまずやめて、勉強を続ける方法を考えましょう。

かつて、高校中退者が勉強を続けようとなった時、全日制高校や定時制高校に編入するのが大半でした。だからこそ、編入先でもいじめにあってしまう……というような負のスパイラルに陥ってしまうことも。クラスメイトとの人間関係にも気を使い「今度こそ失敗したくない!」とストレスをためてしまい、高校中退を繰り返すという人もいました。

「今度こそきちんと高校を卒業したい!」そう願うならば、おすすめは通信制高校です。これまでの全日制高校や定時制高校では満足できなかった人でも、今度こそ勉強に集中して取り組むことができるのではないでしょうか。

ここ数年、通信制高校はどんどん増えているので、自分に合いそうな学校を見つけることも難しくないはずです。まずは、通信制高校一覧や人気ランニングなどから気になる学校をいくつかチェックして資料請求することから始めてみませんか?

同じカテゴリの関連記事

本気で探す通信制高校

無料で一括資料請求

通信制高校を比較するなら、じっくり資料を検討しよう!

資料請求はこちら